2024年エビネの開花2

 気温が高くてもエビネの開花が進みません。進むのはビールです。ニオイ系とサルメン系、交配実生株の開花は比較的早い様です。その中から今回はキバナニオイ3兄弟を紹介します。40~50年前の交配です。御蔵島産の普通のニオイに普通のキエビネを交配したものですが、花弁が濁っています。花型もニオイ特有の反り返りが出ています。駄花ですが、ニオイ(香り)だけは凄く、蘭舎の外でも良い香りが漂って来ます。花径は、4~5cmオーバーの大輪です。

 次は、交配実生株です。失敗作ばかりです。黄色い花の向かって右は、「黄金の翼×大聖堂」、左は「南斗×黒伊佐」です。次の白い花の向かって右は「南斗×神懸」、左は「日の本×白清紅」です。丹頂狙いの交配は、白花の発現率が高いです。

 

 失敗作ばかりですが、たまには見れる花も出てきます。特急品は出ませんが、以前は遺伝子が最新花に比べて単純だったと思われ、緑白同士は緑白、緑赤同士は緑赤と大体予想出来ましたが、最近の交配は遺伝子が多様化しており、同系統の花色の交配でも予想もつかない花色が出現します。(大方は悪い方に)次は丹頂狙いの交配実生株で、「エベレスト×白清紅」で丹頂にはなりましたが、舌の色が薄いィ~、花型は良く、大輪で舌は一枚でフリルが入っています。癒し系の良花です。2芽に分かれており、本来の技量が発揮出来ていないので、作り込んで今後に期待です。(紫紅の舌が濃色だったら特級品なのに)

 

 最後は、早咲きのジエビネです。ジエビネは遅咲きが多いのですが、置き場所の関係か早くに咲いています。チョコレート弁黄舌は、私が四十数年前の学生時代に、渋谷駅前でエビネを販売していた鹿児島の姶良郡から来たおばちゃんから入手した株です。タカネ系の色合いですが、株や小輪の花の形態からジエビネとしています。姶良郡の山取りで作り方は難しい部類に入ります。緑白は来歴がよく分からない株ですが強健で良く増えます。その為、芽が分かれやすく作り込んだ姿は見たことがありません。

 地味な花ばかりの紹介になりました。

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